国慶節間近 「汚染水」と批判を続ける中国の来日客は減るのか?

福島第1原発の処理水海洋放水の批判を続けている中国からの訪日客は大きく減るのか?
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もうすぐ中国の国慶節の時期です。今年の国慶節休みは9月29日から10月6日の8連休だそうです。コロナ禍前迄は国慶節前になると「また大勢の中国人が日本にくるのか。また爆買いするのかな。観光公害で不安だな。」と心配になってた人も多かったかと思います。しかしコロナが落ち着いた今、中国は日本の福島第一原発の処理水を巡り、「核汚染水」という言葉を使い中国内外で日本批判を発信展開していますが、そんな情勢下で今年の国慶節に来日する中国人は果たして多いのかどうか?気になる方も多いかと思います。今回直近の訪日客の統計傾向も調べてみましたので国慶節期間中の中国人訪日客の見通しについて簡単に紹介してみたいと思います。

目次
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IAEA総会でも「核汚染水」と日本を批判する中国

国慶節直前の9月25日にIAEAの年次総会がオーストリアの首都ウィーンで5日間の日程で開幕し、相変わらずですが国際会議の場においても中国の代表が「核汚染水」という言葉を使い日本の処理水放出を非難しました。 これに対し高市科学技術担当相は「日本としては引き続き、科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信を中国に対して求めていきます」と述べ、 「事実に基づかない発信や突出した輸入規制をとっているのは中国のみだ」とも述べました。これに再度、中国が反論するなどIAEA年次総会初日は日中の非難の応酬合戦となりました。

同日の会場では日本の代表団が福島の酒をふるまうレセプションも開き、大勢の参加者で賑わったようです。高市科学技術担当相は会議後「(処理水放出を)批判をしたのは中国一国のみということからみても理解は広がっていると思っております」と述べました。また、日本の外務省関係者は「批判ありきの批判という感じで中国とは科学的根拠に基づいた議論ができない。中国の主張を支持する動きは広がっていない」と話しています。

もはや中国は日本批判をもはや「国是」としていますが、日本政府観光局(JNTO)が発表する訪日外客数の統計を見ると「処理水を巡り批判しているのは中国のみ。他はそうでもない」ということを裏付けるような傾向が読み取れます。

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コロナ禍以前水準に戻りつつあり2023年の訪日客数の実情について(国別)

訪日客が増えている中、中国の伸長率が突出して低い

下表は2023年9月20日に日本政府観光局により発表されたばかりの『2023年訪日外客数・出国日本人数(対2019年比)』ですが、2023年は6月単月で200万人を超し、8月はコロナ禍前の2019年対比で▲14.4%とコロナ禍前水準にまで訪日外客数が回復してきており、コロナの鎮静化に加えて円安の影響もあって訪日外客数が着実に回復してきていることが分かります(なお、( )内の数値は総数のうちの観光客数を指す)。

出典元:JNTO訪日外客数(2023 年 月別推計値) 直近8月はコロナ禍前水準並み(同期比▲14.4%)に回復してきている
出典元:JNTO訪日外客数(2023 年 月別推計値)
直近8月はコロナ禍前水準並み(同期比▲14.4%)に回復してきている

一方8月単月の訪日外客数 国別(下表参照)をみると、中国の訪日客数は2019年8月は断トツの100万超だったのが、今年は▲63.6%の36万人であり、台湾の39万人よりも少ない規模のままです。韓国はコロナ禍前水準を優に超えており、台湾・香港もコロナ禍前水準にまで回復してきています。

東南アジア各国の絶対数は東アジア各国と比べると少ないものの、コロナ禍前水準並みかそれ以上にまで回復していると言えます。欧米諸国については、円安の影響もあってか、高い伸長率となっている傾向にあるようです。

このように中国の訪日外客数だけが依然として少ないままの結果となっていることが分かり、8月に開始した日本の処理水放出が影響しているものと推測できます。

出典元:JNTO訪日外客数(2023 年8月 国別推計値) コロナ禍前の最大訪日国だった中国の伸長率が一番悪く、台湾よりも少ない
出典元:JNTO訪日外客数(2023 年8月 国別推計値)
コロナ禍前の最大訪日国だった中国の伸長率が一番悪く、台湾よりも少ない

環境整備的には国慶節に合わせて来日増対応している

中国人だけが日本に来ることを忌避している現象が伺えますが、国慶節前のマクロ状況はというと、来日増となることに備え、日本行きの海外旅行制限措置が 8 月 10 日付で撤廃され、飛行機も上海~富山間の増便(8/8~ 上海航空)、上海~福岡間の増便(9/10~ 中国国際航空)、上海~成田間の増便(10/2~ ANA 元計画10/29から前倒し)など、来日増に備えて環境整備を着々と進めております。

2023 年 8 月 9 日まで中国文化旅游部より日本行き団体旅行・パッケージツアー商品の販売禁止措置が継続されていた。

中国人の訪日外客数増に備えて環境整備をしてきましたが、果たして今年の国慶節休みは以前のように大量に中国人が押し寄せてくるのでしょうか?

絶対数は増えるが伸長率は依然低い水準となる見込み

円安に影響もあるので、現実的に物事を考える傾向の強い中国人は国慶節休みにそれなりに来るものと思われます。ただ、絶対数自体は増えますが増え幅・伸長率は依然として低い水準になるのではないかと推測しております

今日本旅行は為替的に本当にお得なので、日本に行きたいと思っている中国人もそれなりにいるかと思います。ただ、「この時期に日本に行くなんてどうかしてる」と思う周りの目を気にして「行きたいが行かない」選択をする人もそれなりにでてくると思います。しかし、上述した通り飛行機は増便されてるため飛行機は取りやすく(便数が少なかった時期と比べれば経済的な値段にはなる)、日本旅行のキャンセル客の発生も相まって飛行機・ホテルが以前よりも確実に取りやすくなるので、コスパ優先で行く決断をする人も一定数でてくるかと思います。そんな具合で8月対比で微増水準にはなるかな、と勝手に思っております。

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まとめ

以上の通り、今年の国慶節は中国側の日本忌避の情勢もあって、以前のように大量に中国人観光客が押し寄せてくることはないが、8月対比で減るほどにはさすがにならず、微増で落ち着くのではないか、と考えております。

日本全体では中国以外の外国人訪日客が着実に増えているので、中国人の比率が減ることは逆に好都合な気がします。日本は「観光立国」を目指してはいるようですが、現実的には観光客が多すぎて市民がバスに乗れない、道沿いにごみが散乱する、マナーの悪い外国人が風紀を乱す、等のいわゆる観光公害』も依然として多い状況のため、国慶節期間中の中国人の来日数が従前比で減ったほうが観光公害の点においては緩和に寄与するため、むしろ好都合なんだと思います

とは言え、国慶節期間中に来日される中国人は、日本に行きにくい状況下であるにも関わらずわざわざ来てくれるわけですから、海鮮含めた日本のおいしい料理も堪能して、是非日本に良い印象を持って中国に帰っていただきたいものですね。

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