史実に基づく鬼平の魅力と新版鬼平に期待する音楽とナレーション

鬼平犯科帳の自作ロゴ
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2024年の春からは10代目松本幸四郎(2代目 中村吉右衛門の甥)が演じる“新たな鬼平犯科帳”が始まります。

私は鬼平が大好きで小説は全話読破は言うまでもなく、中村吉右衛門版TVドラマシリーズはスペシャル含めて全話制覇、DVDはシーズン5まで保有、エンディングテーマのGipsy Kingsの「インスピレーション」は毎日最低一回は聞いているためiTunesの再生履歴を見ると再生回数は4500回を超えているほど鬼平が好きです(劇場版は未見)。「鬼平犯科帳」は時代劇の金字塔と言えます。

そんな鬼平好きな私が思う鬼平犯科帳の魅力について、徒然なるままに記してみました。今後鬼平シリーズとしていくつか記事で紹介していく予定です。

なお、当ブログは「彦爺のブログ」という名前ですが名前の由来は私の大好きな時代劇である鬼平犯科帳に登場する「相模の彦十(ひこじゅう)」からきています。吉右衛門版の江戸家猫八さんが演じる彦十が私の中での彦十像です。

言葉も身なりもどちらかというと汚らしいジジイだが元盗賊の密偵(みってい)でヒロイン的存在のおまさには「彦おじさん」と慕われている愛嬌があって憎めないキャラクターが私は好きで「こんなジジイ」になりたいものだ、との思いが昔からあったため、ブログの名前は鬼平を絡めて自身を「彦爺」と名乗ってみた次第であります。

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私にとっての鬼平

そんな鬼平好きな私ですが、私が初めて鬼平と接したのは小学生の頃見た二代目中村吉右衛門が演じるテレビドラマ版でした。水曜夜19:00にフジテレビでドラゴンボールを見て、その30分後の20:00に鬼平が放送され、当時同居してた祖母と一緒によく見ていた。

幼心にもGipsy Kingsの「インスピレーション」がBGMとして流れるエンディングはとても時代劇のエンディングとは思えず「この時代劇は他の時代劇とは違う。とにかく別格だ!」という印象がありました。四季折々の風光明媚な日本的景色・情景をバックに流れる情緒的なアコースティックギターの旋律がとてもカッコ良く、エンディングの映像美に最後まで釘付けとなり、本編終了後も暫く余韻に浸れるのでした。

そんな感じで彦爺少年は鬼平の虜になったのです。

「インスピレーション」が収録されている「ボラーレ!ベリー・ベスト・オブ・ジプシー・キングス」
引用元:Amazon
「インスピレーション」が収録されている「ボラーレ!ベリー・ベスト・オブ・ジプシー・キングス」
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鬼平犯科帳とは

「鬼平犯科帳」は池波正太郎が原作の時代小説であり(文庫版全25巻 全135話 作者急逝により「炎の女」の話の途中で終わり未完の扱い)、テレビドラマ、映画、舞台、漫画、アニメ、朗読と様々な媒体で出版・製作表現されています。鬼平犯科帳の番外編ものもあるので鬼平関連作品は数多くあります。

テレビドラマ版は1989年~2016年までフジテレビで放送された二代目中村吉右衛門(現 松本白鸚の実弟)が長谷川平蔵を演じたシリーズが皆さんご存知の「The 鬼平」かと思います。

歴代では八代目松本幸四郎(後の初代松本白鸚二代目中村吉右衛門のお父さん)、丹波哲郎、萬屋錦之介、二代目中村吉右衛門が演じており、2024年には吉右衛門の甥っ子にあたる松本幸四郎が5代目 長谷川平蔵を演じることになります。尚、二代目中村吉右衛門は父親の八代目松本幸四郎の鬼平犯科帳に長谷川平蔵の息子:長谷川辰蔵として出演しており、2024年に5代目長谷川平蔵として主演する松本幸四郎は市川染五郎時代に叔父である吉右衛門版の2008年10月放送のスペシャルドラマ「引き込み女」に掛かり付け医の井上玄庵役で出演しています。

2024年版の鬼平では現 松本幸四郎の息子である市川染五郎が鬼平の青年時代(銕三郎 てつさぶろう)を演じ親子共演となります。

歌舞伎同様に親族共演が多いのも鬼平シリーズの恒例パターンなので、だいぶ気が早いですが市川染五郎も将来松本幸四郎になり、いずれ40代を超えた頃にはいずれは6代目長谷川平蔵を演じることになるんだろうな、と思います。

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単純な勧善懲悪な時代劇ではなく人間味溢れるストーリー

ドラマのクライマックスでは盗賊を捕獲後に平蔵が判決を下すシーンがあるのですが、悪事に働くしかなかった盗賊の複雑な経緯・盗賊自信の人間性を鑑みて、厳しくも優しい人情味溢れる判決を下すシーンもあるのですが、とても涙無くして見られません。

平蔵の厳しくも温かい裁断で「お、お頭〜 格好良すぎますぜ」と涙が自然と出てくることが多々あります。しみじみさせられたのも束の間、神がかったエンディングテーマである「インスピレーション」が流れ始めて四季折々の古き良き美しい日本を描いたエンディング映像に切り替わるもんですから「なんて感慨深いストーリーなんだ。

いい話だったな。上司が平蔵だったらどんなに良いことか。情緒溢れるクラシックギターのエンディングのBGMも四季の映像美もマッチしすぎて渋くてカッコええやん!」という具合にエンディングシーンも必ず最後まで見てしまい暫く余韻に浸れるのです。

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鬼平のテーマ音楽 オープニングと神エンディング

神すぎるエンディングテーマ Gipsy Kingsの「インスピレーション」

「鬼平犯科帳」・「鬼平」と聞いてすぐにGipsy Kingsの「インスピレーション」が頭の中で流れる人はかなりいると思います

テレビドラマ中村吉右衛門版のエンディングBGMなのですが、四季折々の美しい情景とその中で営まれる人々の生活模様が描かれた映像美とフラメンコギターによる情緒溢れるBGMが絶妙にマッチしており、自然と「このエンディングずっと見ていたい」と思え、最後のシーン(雪降る江戸の街中で町民が屋台のそばを啜るシーン)まで画面に釘付けになった方は多いはずです。

少なくとも私はそうでした。

長谷川平蔵が馬で駆けてくるオープニング映像の「タララ〜♪ タッラッラ ラララ〜♪」や中西龍さんのあの平淡で独特な語り口調による「いつの世にも 悪は絶えない」のオープニングナレーション(詳細は下記引用を参照)よりも、私は何よりもまず「インスピレーション」が脳内で自動再生されます。

いつの世にも悪は絶えない。

その頃、徳川幕府は火付盗賊改方という特別警察を設けていた。

凶悪な賊の群れを容赦なく取り締まる為である。

独自の機動性を与えられた、この火付盗賊改方の長官こそ長谷川平蔵。

人呼んで【鬼の平蔵】である

鬼平犯科帳テレビ版(二代目中村吉右衛門版)
中西龍さんのオープニングナレーション

私はこのインスピレーションを2007年からiPod/iPhoneに入れて聞いており、私の人生で一番聴いている曲となっております。

iTunesでの再生回数は4500回を超えているのでおそらく世界で一番この曲を聴いているおっさんだと自負しております。好きすぎて自身の結婚式の退場時に「インスピレーション」を使いました。

インスピレーションが好き過ぎて、iTunes内のインスピレーションのカバー曲も全て購入し、Youtubeのインスピレーションのカバー動画も全て制覇しています。

会社に行きたくないと思う日も、この曲を聴いてエンディングテーマの四季折々の情勢を思い出しながら心を落ち着かせて仕事に臨んでおります。

鬼平の魅力は「インスピレーション」にあると言っても過言ではありません。是非、鬼平の魅力を知ってほしいため、「インスピレーション」も多くの方に聴いていただきたいですね。とにかくカッコいいです!

鬼平的オープニングテーマ・劇中曲

もちろん、エンディングテーマ以外にも、前出の「タララ〜♪ タッラッラ ラララ〜♪」のオープニングテーマ曲や劇中の挿入曲も鬼平犯科帳を鬼平犯科帳たらしめる重要な演出に欠かせない要素になっており、非常にオススメです。是非音楽をキッカケに鬼平の魅力に沼っていただくのもありかと思います。

鬼平のサウンドトラックやアレンジ曲・カバー曲も数多く製作・販売されているので良ければ色々聞いてみてください。

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哲学的な鬼平の名言

盗人を捕獲する死と隣り合わせの役職で、人間の悪事を目の当たりにする厳しい環境に身を置く平蔵だからこそ言える数々の名言が鬼平犯科帳には出てきます。鬼平で有名な名言をいくつか紹介します。

「ばかも休み休みいえ、悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」

小説第2巻『蛇の目』 中村吉右衛門版ドラマ第1シリーズ第3話『蛇の目』

「人間(ひと)とは、妙な生きものよ。悪いことをしながら善いことをし、善いことをしながら悪事をはたらく。こころをゆるし合うた友をだまして、そのこころを傷つけまいとする。」

小説第8巻『明神の次郎吉』 中村吉右衛門版ドラマ 第1シリーズ第7話『明神の次郎吉』

テレビドラマ・小説といえど、こんなに機知に富んだ作品はなかなかないと思います。もはや哲学書と言っても過言ではないです。

人生に一度は読むべき歴史文学作品 原作小説の『鬼平犯科帳』

もちろん、池波正太郎の小説やテレビドラマを見て鬼平にハマっていただくのが一番ですので、興味ある方は是非購入して堪能ください。小説は読みやすいので活字が苦手な方でもすぐ読み終えちゃいますよ。

私はTVドラマを見てたので、TVドラマの情景を思い浮かべながら小説を読めたのであっという間に読めてしまいました。鬼平犯科帳を見たことも読んだこともない方はTVドラマ・小説どちらが先でもOKです。

順番はどちらが先でもいいのですが、一言言わせていただきたいのは小説の「鬼平犯科帳」は死ぬまでに一度は読むべき時代小説であるということです

私は活字嫌いで恥ずかしながら本を読む習慣がないのですが、そんな私でも読み始めるとあっという間に読み終えられました。

食通 池波正太郎の“食”を通して描く人間模様

池波正太郎はかなりの食通で池波作品の中でも食事・食材に関する描写が多いことが有名ですが、鬼平犯科帳も多分に漏れず、食事に関する記載が多く描かれています。

これは季節感を出すための演出と昔の人も日常生活において食事は欠かせない一つの重要イベントであり、食事が一つのコミュニケーションの場にもなってたはずなので、江戸時代の食事の様子も作品中に織り込みたいという原作者の意図があってのものだそうです

もちろんテレビドラマ版でも“食”がお約束的にふんだんに描かれています。中村吉右衛門版テレビドラマ版では原作小説では存在しない通称「猫殿」とあだ名で慕われている同心の「村松忠之進」という料理に造詣が深いオリジナルキャラクターが登場します。俳優の沼田爆さんが演じて食に関する蘊蓄(うんちく)を傾けてます。

おそらくこの猫殿は池波正太郎の化身だと私は思ってます。こうした遊び心が演出として描かれているのも鬼平の魅力の一つと言えます。

史実に基づいた歴史書でもある

実は長谷川平蔵は実際にいた歴史上の人物であり、火付盗賊改方も実際にあった組織です。

実在した長谷川平蔵

小説版には人足寄場創設に奔走する平蔵の様子も描かれており、テレビドラマ版では描ききれない史実に基づいた平蔵の一面が分かるのも小説版ならではの面白みと言えます。実在した長谷川平蔵(宣以 のぶため)についての詳細はwikipediaを参照ください。

長谷川 宣以(はせがわ のぶため)は、江戸時代中期の旗本。寛政の改革期に火付盗賊改役を務め、人足寄場を創設した。通称は平蔵(へいぞう)。

引用元:長谷川宣以-Wikipedia

火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)

前出のドラマの「いつの世にも悪は絶えない。その頃、徳川幕府は火付盗賊改方という特別警察を設けていた。」のナレーションでもお馴染みの火付盗賊改方は実在した組織です。中西龍さんのナレーションの通り、江戸時代当時の凶悪犯罪が増えて設置された組織で、平蔵をはじめとした与力・同心(いずれも奉行組織の配下、部下のこと。与力が警察の管理職、同心が刑事のイメージ)たちが活躍する場となっています。

明暦の大火以後、放火犯に加えて盗賊が江戸に多く現れたため、幕府はそれら凶悪犯を取り締まる専任の役所を設けることにし、「盗賊改」を1665年(寛文5年)に設置。その後「火付改」を1683年(天和3年)に設けた。一方の治安機関たる町奉行が役方(文官)であるのに対し、火付盗賊改方は番方(武官)である。この理由として、殊に江戸前期における盗賊が武装強盗団であることが多く、それらが抵抗した場合に非武装の町奉行では手に負えなかった[1]。また捜査撹乱を狙って犯行後に家屋に火を放ち逃走する手口も横行したことから、これらを武力制圧することのできる、近代以降でいう警察軍や現代における特殊部隊のような、いわば事実上の準軍事組織として設置されたものである。

引用元:火付盗賊改方-Wikipedia

人足寄場(にんそくよせば)

人足寄場は今の刑務所のような犯罪者の更生施設のようなもので、今の東京江東区の越中島に設置されました。

何を隠そう、この施設の創設に奔走したのは長谷川平蔵なのであり、現在の刑務所の礎を築いたと言っても過言ではないかと思います。そういう意味では実在した長谷川平蔵はもっと世間に認知・評価されても良い気がしますね。

人足寄場の設置以前には、無宿者の隔離および更生対策として佐渡金山への水替人足の制度があった。しかし、水替人足は非常に厳しい労役を強いられるものであり、更生というより懲罰という側面が強かった。そのため、犯罪者の更生を主な目的とした収容施設を作ることを火付盗賊改方長官である長谷川宣以(長谷川平蔵)が松平定信に提案し、人足寄場が設置された[2]

引用元:人足寄場-Wikipedia

まとめ ポスト吉右衛門 新しい鬼平犯科帳に期待すること

一鬼平ファン目線での鬼平犯科帳の魅力について紹介しました。中村吉右衛門版の鬼平犯科帳はテレビドラマのシリーズもの(全9シリーズ)が終わってからはスペシャル版のみで長年続いてましたが、やはり演者の老い・年齢が気になってきてスペシャル版が放映される度に一種の寂しさも感じておりました。

「いつかその時は来るだろうな」という思いはありましたが、いざ中村吉右衛門が亡くなると、あの厳しくも優しい鬼平はもう過去のアーカイブでしか見れないのか、と寂しさを実感するようになりました。

そんな時に甥っ子の10代目松本幸四郎が5代目長谷川平蔵を演じるとのニュースが2023年6月に発表されました。

新たな「鬼平」に対して、楽しみであると同時に、「自分の好きな鬼平と違ったら嫌だな」という一種の不安を抱く鬼平ファンは私だけではないと思います。

吉右衛門版の鬼平が完璧過ぎたため、後任キャスト・スタッフは相当なプレッシャーなんじゃないかと思います。そんな新「鬼平」に対して、一ファンとして期待することを記載して当記事を締めたいと思います。

オープニング・エンディングは前作を踏襲してほしい

オープニングテーマとエンディングBGM(インスピレーション)は鬼平の顔であり、“鬼平ブランド”そのものと言っても過言ではありません。

鬼平をそんなに知らない人でもテーマ曲とエンディングだけは知ってて「時代劇の割にはセンスあるな」と思っている人は少なくないはずです。

オープニングテーマとエンディングだけは是非吉右衛門版を踏襲していただけると古株のファンは喜ぶこと間違いないですし、今の時代劇離れで時代劇を知らない若者に対しても「時代劇ってダサいイメージだけど、この時代劇(鬼平)は他の時代劇と違いなんかセンスあってカッコいい」という印象を与えられ、令和の時代劇の新たな視聴者層(若者層)を開拓できるのではないか?と勝手ながら思ってます

冒頭ナレーションも中西龍さんで!

吉右衛門版では冒頭ナレーションはずっと中西龍さんのナレーションでした。中西龍さんは1998年に亡くなられていますが(享年70歳)、中西龍さんが亡くなられた後も吉右衛門版の冒頭ナレーションは中西龍さんのナレーションを継続してくれていました

この声を聞いて「お、鬼平が始まったぞ」という心の準備ができるのですが、中西龍さんのあの独特な抑揚を抑えたナレーションも鬼平ブランド構築に大きく貢献していると思います。

是非新たな鬼平にも中西龍さんのオープニングナレーションを継続採用していただきたいです。

世代交代した新しい鬼平犯科帳にも、「是非古き良きもの」として旧作で使用していたBGM、ナレーションを継続していただけると喜ぶ層はかなりいると思うので勝手に期待したいです。

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