本日11月7日の午前中は首都圏一帯に強風が吹き、多くの交通機関に影響がありました。朝のSNSのトレンドワードランキングでは「風つよ」「武蔵野線」が上位ランクに上がっていました。
武蔵野線といえば「風に弱い」というイメージが多くの人に持たれていることで有名ですが、案の定当日の武蔵野線は強風で30分程度の遅延が発生しました。
「また武蔵野線が風で止まったわ」「武蔵野線は相変わらずだな」「武蔵野線だから強風で止まるのは仕方がないか。」というSNSの声が多く上がっておりました。
トレンドランク上位に上がった武蔵野線が本当に風に弱いのか、気になったので調べてみました。
風に弱いのは昔のこと。実は遅延が少ない路線だった!
武蔵野線は噂通りに本当によく止まる路線なのか、調べて見ると下表のデータがありました国土交通省が令和2年2月に発表した「東京圏の鉄道路線の遅延『見える化』(平成30年度)」を元に住宅ライターの熊谷実津希さんが作成した資料の引用です。
首都圏45路線中で武蔵野線は遅延発行日数が25位と善戦
国交省の「東京圏の鉄道路線の遅延『見える化』(平成30年度)」では首都圏45路線の1ヶ月あたりの遅延証明書発行日数の統計が発表されており、下表では「遅延証明書発行日数」の多い順で30位まで表示されています。
ご覧の通り、25位であり、意外にも武蔵野線は「そこまで遅延が多い路線ではない」、と言えます。むしろ走行距離が長い路線であるにも関わらず25位の遅延であるということは優秀なのでは?とすら思えます。
そもそも本当に風に弱いの?
現在の武蔵野線は2005年から「強風警報システム」を増加させています(最大風速を予測し、早めに運転規制を行うシステム)。
2006年以降には風の影響を受けやすい鉄橋の両脇に「防風柵」の設置を進め、車両にかかる風の抵抗を低減させる設備投資を行ってきました。2010年度には防風柵が必要な個所への設置工事が終了しています。
その結果もあって、2021年度では風の影響で遅延したの365日のうちわずか4日だったそうです。
防風柵設置後に遅延(運転中止時間)は92%減、速度規制時間は86%減になったようです。もはや現在の武蔵野線は「風に弱い」というのは事実ではないかと言えますね。
まとめ(武蔵野線のあるべき評価)
武蔵野線は貨物輸送のために作られた歴史がある路線のため、高架路線であるために昔は強風で止まりやすい路線でありましたが、JR東日本が風対策を施した結果、今では風に強くて遅延の少ない路線になっていることが分かりました。
もっと厳密に言えば、「強風による遅延や運休は発生してはいるけれども、防風柵の設置など対策を進めたため、以前よりも大幅に減っている。
強風以外も含めて遅延自体そこまで多くない路線であり、少なくとも「風でよく止まる」「遅延が多い路線では決してない」」というのが実態と言えます。
私も時々武蔵野線を使うことがありますが、昔都心の地下鉄を使ってた頃と比較すると武蔵野線の遅延は体感ベースの大雑把な感想ですが「ほとんど発生していない」という印象を持っています。
武蔵野線は主要都市をぐるっと長距離(100キロ)にわたって走る外環高架路線ということもあって、実は踏切がゼロの路線みたいです。
風にも強くて遅延が少ないので、実は移動効率の良い優秀な路線なのではないかと個人的に思っています。
「武蔵野線は風に弱くてよく停まる」という昔のイメージが未だに払拭されていないのは大変残念なことですが、JR東日本には実情を強調した「武蔵野線って風に結構強くなっています」の看板を増やすなどの広報・宣伝活動を精力的に展開してもらいたいですね。利用者により安心して利用してもらえる路線になってくれることを祈ってます。
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