2025年大阪で開催される万博に参加表明していたメキシコが建築費高騰等を理由に撤退することが報道され、不参加・撤退の“ドミノ”が広がる懸念が出ているそうです。
この記事では先ず大阪・関西万博の概要を紹介し、万博参加を難しくしている建築費高騰の状況確認と、メキシコに続いて今後撤退の意向を表明する可能性のある国について考察をしていきたいと思います。
大阪万博とは?概要説明
2025年大阪・関西万博は2005年に開催された愛・地球博に続き、20年ぶりに日本で開催される国際博覧会です。オリンピック同様に「国のイベント」と言っても過言ではなく、経済効果が期待できる特大イベントであります。公式HPによると”約2兆円の経済波及効果が見込まれている”とのことです。
大阪・関西万博の公式HPを参考に先ずは概要を紹介いたします。
大阪・関西万博の目的・目指すもの
- 持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献
- 日本の国家戦略「Society5.0」の実現
公式HPでは、日本の国家戦略「Society 5.0」 とは、“サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を
高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会”の指しているようです。
2025年大阪・関西万博で実現すること
- 最先端技術など世界の英知が結集し新たなアイデアを創造発信
- 国内外から投資拡大
- 交流活性化によるイノベーション創出
- 地域経済の活性化や中小企業の活性化
- 豊かな日本文化の発信のチャンス
日本、大阪・関西で開催する万博の多彩な魅力
- 日本経済及び大阪・関西の地域経済の活性化やビジネス機会の拡大による中小企業の経営強化により、約2兆円の経済波及効果が見込まれる。
- 大阪・関西が世界に誇るライフサイエンス、バイオメディカルの集積が、万博のテーマに沿った新たなイノベーションでさらに発展する。
- 悠久の歴史・文化を誇る大阪・関西が、異なる文化との交流を通じて、さらに豊かなものとなり、世界における圏域の認知度が向上する。
- 日本の様々な分野における次世代の若いクリエーターが、自らの才能を世界に向けて発信できる。
- 日本には世界で最も安全な環境、先進的な交通インフラが整備され、大阪・関西は、世界の主要都市のどこからでも容易にアクセスできる。
“大阪・関西万博の顔”であるアンバサダー
- コブクロ(ミュージシャン)
- 佐渡 裕 (指揮者)
- ダウンタウン (タレント)
- 宝塚歌劇団 (エンターテインメント)
- 松本 幸四郎 (歌舞伎俳優)
- 山中 伸弥 (京都大学iPS細胞研究所 名誉所長・教授、公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団 理事長)
公式HPで紹介されているアンバサダーは上記6名・団体ですが、外国人から見ても知名度があったり魅力的に映るのは一部の方だけかな?というのが個人的な感想ですね(あくまで個人的感想です)。
参加国・地域の数と万博におけるパビリオン(展示館)
参加国数は公式HPおよび外務省HPで公表されていますが3月24日付公表の一覧表では153カ国・地域が参加表明しておりました。今回メキシコが不参加の意向を示したため153→152になることになります。
参加国・地域の詳細一覧表はこちらで確認できます。
参加する国・地域はパビリオンを選択し、参加国は「パビリオン(展示館)」にて各国の紹介をしますが、パビリオンには下表の通り複数種類あります。
今回のメキシコ撤退を受け、ドミノ式に不参加表明をする国がでてくる懸念があります。主催国である日本は負担が少ない「タイプC」を各国・地域に今後推奨し、ドミノ式に不参加国・地域が出てくるのを予防していく方向性もでてくるかもしれません。
撤退背景にある建築費高騰の推移
メキシコが撤退する理由の主要因でもある建築費の高騰について、実際どれくらい高騰しているのか、一般財団法人 建設物価調査会のレポートを引用して紹介します。
上表は2023年11月1日に発表された東京の建設資材物価指数 (2023年10月分)ですが、2021年より高騰している状況がよく分かります。
続いて都市別の建設資材物価指数(2023年4月まで)をみると、万博開催を控えている大阪の指数が一番高いことがよく分かります。
これだけ建築費が高騰すると、各国からみれば昨今の円安為替による享受メリットを相殺してしまうレベルでしょうから、財政的に厳しい国はメキシコ撤退を受けて不参加を検討する国が出てくる可能性はゼロではなさそうです。
今後の見通し(不参加国となりそうな国は?)
こちらは参加国一覧表の一部抜粋ですが、イスラエルとパレスチナは参加予定であることが分かります。現在紛争真っ只中で期限付きの停戦になることはあるかもしれませんが、戦争状態はまだ続きそうな状況です。
万博開催はイスラエル・パレスチナ双方にとっての立場・主張を訴える良い機会・場になるかと思いますが、万博に参加する余裕が果たしてあるのか?、少々疑問です。特にパレスチナにおいてはその余裕はなさそうな気がしております。
なお、ウクライナとロシアの紛争も依然続いていますが、ウクライナは参加予定がなく、ロシアは参加予定です。
(参加国の詳細一覧表はこちらで確認できます)
ウクライナが参加する余裕がないためであることは容易に想像できますが、イスラエル・パレスチナ情勢に照らし合わせると、(イスラエルと比較して)総合的な規模で劣るパレスチナはイスラエル同様に、現実的に参加できない状況になるのではないかな、と思われます。
まとめ
今回はメキシコの万博撤退の要因となった建築費高騰の実情の紹介と昨今の世界情勢を鑑みてパレスチナが不参加となる見込みが大きい見込みについての考察を紹介しました。
世界的なインフレ傾向(日本のみがジリ貧化してるだけとも言えますが…)と紛争激化の世界情勢は当面続き、大阪・関西万博は時期・環境的に厳しいものとなりそうですが、日本・世界にとって有益なイベントになることを切に願っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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