米国国務省は現地時間の10/19(日本時間10/20 未明)に世界規模の注意警報(原文:WORLD WIDE CAUTION)を発令したことを受け、SNSのトレンドランキングで上位に入り、SNSの投稿では「米国国務省は全世界に渡航注意警報を発令」したとの文言が目立っています。
「全世界に渡航注意警報を発令した」との文言を拡散しているだけで、具体的な中身が何も記載紹介されておらず、これらの投稿を受けて「何が起きるの?」「これから世界は大丈夫?」「終末戦争が起きる?」というような過剰な不安も引き起こしている印象・違和感を覚えたため、そもそも今回の米国国務省の「WORLD WIDE CAUTION」はどのような内容なのか?について調べてみました。
米国国務省の「WORLD WIDE CAUTION」の内容について
発令内容は米国国民に対する「WORLD WIDE CAUTION」である
米国国務省のHPを調べると2023/10/19付けでGoogle日文簡易翻訳版で「世界規模の注意」と題して注意警報が掲載されています。その中身は下記の通りでした(同じく簡易日文訳にて掲載)。
世界規模の注意
世界中のさまざまな場所で緊張が高まっており、米国国民や利益に対するテロ攻撃、デモ、または暴力行為の可能性があるため、国務省は海外にいる米国国民に対し、一層の注意を払うよう勧告しています。米国国民は次のことを行う必要があります。
引用元:米国国務省ー渡航勧告ー世界規模の注意(Travel.State.Gov > Travel Advisories > Worldwide Caution)
- 観光客が頻繁に訪れる場所では注意してください。
- Smart Traveler 登録プログラム( STEP )に登録すると、情報やアラートを受信できるようになり、海外での緊急事態が発生したときに簡単に居場所を特定できるようになります。
- Facebookで国務省をフォローしてくださいとツイッター。
これは昨今のイスラエルとパレスチナ(ハマス)の紛争を受け、中東情勢全体にも緊張が走っている情勢を受けての米国民に対する渡航勧告であります。米国は歴史的にイスラエルを支持してきているため米国人にも中東以外でも危険が及ぶリスクがあることを受けての渡航注意報であり、発令対象はあくまで米国国民です。
今回のSNSでは「米国が全世界の全国民に対して渡航注意報を発令した」という拡大解釈をした形で伝わっている節がある印象がありますが、あくまで米国国民に対する警報であり、「中東以外でも米国国民に対して危険行為がある可能性が高いため、旅行する際は人が多い場所等では注意をして下さい」と注意勧告している内容であります。
我々日本人も含め、各人が注意するに越したことはないのですが、今回のSNS投稿は「米国国務省は全世界に渡航注意警報を発令」と対象である「米国国民に対して」を省略した形での拡散であり、「終末戦争でもおきるのではないか?」「何が起きてしまうんだ?」という不安を煽るようなSNSの投稿が目立ち、「ちょっと違うのでは?」と違和感を覚えました。「各自が冷静に内容を確認して情報を把握する必要があるな」、と今回の投稿内容及びトレンドランキングを見て思いましたね。
米国国務省の直近の渡航勧告内容
ちなみに今回の米国国務省発令の「世界規模の注意警報」以外では直近では下表の渡航勧告が発令されております。
今回の米国国務省の「世界規模の注意警報」を受けて日本人も適度に緊張感をもち、紛争地帯に渡航しないことはもちろんですが、「人が多いところに行くときは警戒するようにしよう」という感じで適度な緊張感を持つ必要はあります。いい加減なSNSの情報に振り回されることのないように注意する必要がありますね。
日本の渡航勧告内容
参考までに外務省の「海外安全ホームページ」で発表されている危険情報を紹介します(※正確に伝える必要あるため、とのまま抜粋して紹介しております)。世界地図で見ると危険レベルの高い国はアフリカ大陸に多く、現在紛争が激化しているイスラエルとガザ地区については「レベル4 退避勧告」が出ている状況です。
同地区の紛争を巡って日本各地でも抗議デモ等が行われていますが、抗議デモ等で人が多いスポットに行く際は日本国内であっても注意した方が良いかもしれませんね。最後まで読んで下さりありがとうございました。
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